夕闇迫るイーハトーブの丘

イーハトーブ 岩手
スポンサーリンク

もう15、6年位前だったと思います。

私は岩手県花巻市に何とな~く降り立ち、何とな~く歩いていました。特に目的地があった訳ではありません。ただ、駅の観光案内地にイギリス海岸と書かれてあり、その辺りまで歩いてみようかと思い、案内板を頼りに進んでいきました。

途中歩道がなくなり、標識もなくなり、「あれ?この場所で良かったんだったろうか?」と思いつつ、それでも自分を信じて突き進んで行きました。

多分、もう夕方近かったのだと思います。辺りは少し茜色を帯びてきており、あれだけ青く近かった空も、少しづつその色に染まっていきました。「適当にタクシーでも拾って帰ろうかしら?」そんな事を思っていたのを覚えています。しかし、しばらく進んだその先の風景は、その不安を一瞬にして消し去ってくれました。

辺り一面、花、花、花…。

しかも赤みを帯びた黄色の花が、まるで黄金色に輝き、辺り一面を覆いつくしておりました。まさにこの世の楽園か!といった荘厳な風景です。しかも、その時は何故か人が誰もいませんでした。音一つならない世界、もしかしたら誰かいたのかもしれませんが、そんな事が気にならない程の幻想的な世界に、私の心は高鳴りました。

私は夢現に、その場を味わいつくした記憶が残っています。残念ながら、その何分後には、辺りはすっかり光を失い、また私もそんな幸せな気持ちが一気にぶっ飛ぶ程、人気のない夜道を駅まで戻った記憶も残ってますが、あのこの世とも思えない幻想的な風景は今も私の心を高鳴らせてくれます。

投稿者:アルテン

コメント

タイトルとURLをコピーしました